昨年新調した織り機


それまでの物よりもずっと細かい織りができます。


というのは経糸(たていと)の数、今までは1cmの間に4〜5本位の糸が並んでいたのですが、

今回は1cmの間に10本糸が並びます。


今回は40cm程の布幅に420本程の糸を並べました。

これが、、、なんとも大変


5m程離れた所に糸をかける棒を置き、行ったり来たり約210往復


今度は織り機にセットするのに「筬(おさ)」と「綜絖(そうこう)」に全ての糸を通します。

ずっと作業しているわけでは無いのですが、3日かかりました。


天然繊維(今回は絹)は乾燥すると切れやすくなったり、静電気が発生したりして作業に支障をきたします。

寒い冬でも暖房はかけられません。ダウンジャケットを着てみたらやはり静電気でダメ。かじかむ手で筬と綜絖の隙間を通し結ぶを繰り返します。


糸は切れ、僕の心も折れそうになります。

これは次回はできないかも。。。。とも思います。



苦労を乗り越え、織りに入ると楽しくて、次の経糸の並びを想像してしまいます。


織る作業は、布作りの1割程の作業と言われていますが、その通りですね。ご褒美の時間。


今回、着物や服となる布を初めて織っているのですが(今まではストールや鞄、服には少し布の密度が不足していました)、その大変さを体感しました。


綿を育て、糸を紡ぎ、染めて、織る


布を作るのにはとても時間がかかります。


昔々、服も自給自足していた時代。

父、母、或いは祖父母の手から生まれた布で服を作って貰っていた子供達は嬉しかっただろうなと思います。


早く新しい服が欲しい子供、

早く作ってあげたい親、

糸を紡ぐ所から心待ちにしているものの、隙間時間で作ったであろうから中々進まない。

もどかしさもあって、できた時の喜びは大きかった事でしょう。

そして大事にしていたでしょう。



現代は1日アルバイトして働けば、上下の服が揃って買えるような時代、布を一から作るのは非効率的な事です。

世界中から手仕事の布が消えています。


そして日々大量の衣類廃棄が成されています。

日本の年間衣類廃棄の量は、服に換算すると33億着、100万トンにもなります。



布の精神性を改めて感じた今、布の尊さを伝えていきたいなと思います。




コメント

なるほどなーと思いました。現代人はおそらくなかなか気づかない視点ですね。素敵な考えで共感しました。

  • まきこ
  • 2020/02/22 06:22